「ロボたちの帰還」—熱戦と感動が交差したロボットコンテスト2024 北海道地区大会 

大会開催概要 

2024年10月13日、釧路町にあるWINDHILL Kushiro SUPER ARENA(湿原の風アリーナ釧路:北海道釧路市広里18釧路大規模運動公園 内)にて、全国高等専門学校ロボットコンテスト2024の北海道地区大会が開催されました。この大会は、1988年から始まった全国規模の教育イベントで、若者たちがロボット作りを通して発想力や物作りの楽しさを学びます。(引用:高専ロボコン (official-robocon.com) 

 

ロボコン2024

ロボコン2024

 

大会ミッション—「着地」「回収」「帰還」 

今大会のミッションは、ロボットを飛ばして着地させ、エリア内のボールや箱を回収し、最後にロボットを無事に帰還させるというチャレンジ。2分30秒という制限時間の中で、精密な技術とチームワークが求められます。このテーマには、宇宙探査ミッションや小惑星探査を想定した背景があり、現在ロボット製造を行う企業でも悩んでいるミッションを高専生たちがプロの研究者さながらのアイデアで挑む内容です。 

 

激戦のスタート—それぞれのチームの想い 

出場した8チームは、それぞれ独自のストーリーやドラマを抱えていました。開幕戦は、旭川高専Bチーム「Pentabroth」と苫小牧高専Bチーム「ルネサンス」の対決。両チームともスタート直後にトラブルが発生。苫小牧高専Bチームは射出がうまくいかず、旭川高専Bも2回目のロボット射出がリプレイに。最初の戦いから緊張感が漂う展開に。 

 

第二試合—意地とプライドの激突 

次に行われたのは、釧路高専Aチーム「渡りどり」と旭川高専Aチーム「LazuRite」の試合。釧路高専Aは、釧路のシンボルである国の天然記念物タンチョウをモデルにしたロボットで臨みました。対する旭川高専Aは、宝石「ラズライト」にちなんだチーム名で、深い青色が輝くという思いを込めたロボットで挑みました。
練習では完璧な射出を見せた旭川高専Aが、本番でも100点のゾーンに着地し、ボールとBOXの回収も成功。釧路高専Aは射出タイミングを逃し、悔し涙を浮かべる結果に。 

 

苦戦と歓喜—若い力が生んだ波乱の展開 

続く釧路高専Bチーム「コアパズル」と函館高専Bチーム「波乱盤上」の対決もまた、劇的な展開を見せました。1~2年生主体の釧路高専Bチームは若さ溢れるアイデアで挑戦しましたが、なかなかロボットが動き出さず、、、一方、函館高専Bは、試合開始から動きが鈍く、両チームとも1分30秒が経過。しかし、試合残り時間15秒を切ったところで、函館高専Bがついに動き出し、40点のゾーンに着地。この奇跡的な復活劇に観客席からは歓声が湧き上がりました。 

様々なチームの戦いが、一戦ごとにドラマチックな展開に。勝利への執念と創意工夫がぶつかり合う熱戦が繰り広げられました。 

 

決勝—勝利への執念と努力 

決勝戦は、旭川高専Aチームがゴム素材を使った巧妙なロボットで全てのボールとBOXを回収。帰還までは至らなかったものの、その技術力とチームワークが見事に結実し、優勝を飾りました。対する函館高専Aチームも、惜しくも準優勝に終わりながら、「悔しい!」と何度も言葉をこぼす選手たちの姿が印象的でした。しかし、その努力と情熱は、観客だけでなく審査員からも称賛されました。 

 

表彰式—技術とアイデアが光る結果発表 

優勝

優勝

今回の大会では、各チームの成果が以下のように表彰されました 

優勝:旭川工業高等専門学校A (LazuRite ラズイライト) 

準優勝:函館工業高等専門学校A (HAKODAKE ハコダケ)

アイデア賞:函館工業高等専門学校B (波乱盤上 ハランバンジョウ)

技術賞:苫小牧工業高等専門学校B (ルネサンス)

デザイン賞:苫小牧工業高等専門学校A (ネジカタメパワーマシマシ)

特別賞も各スポンサー様から授与され、釧路高専Aは本田技研から「希望と夢を信じて」の言葉と共に特別賞を受賞。大会は感動的な余韻を残し、終了しました。 

続いて、 

特別賞 (本田技研工業株式会社) 釧路工業高等専門学校A 渡ワタりどり

特別賞 (マブチモーター株式会社) 苫小牧工業高等専門学校B ルネサンス

特別賞 (株式会社安川電機) 旭川工業高等専門学校B Pentabrothペンタブロス

特別賞 (東京エレクトロン株式会社) 函館工業高等専門学校B 波乱盤上ハランバンジョウ

特別賞 (田中貴金属グループ) 旭川工業高等専門学校A LazuRiteラズイライト

特別賞 (ローム株式会社) 苫小牧工業高等専門学校A ネジカタメパワーマシマシ

特別賞 (セメダイン株式会社) 函館工業高等専門学校A HAKODAKEハコダケ

特別賞 (株式会社デンソー) 釧路工業高等専門学校B コアパズル

以上の結果となりました。 

 

ドラマの裏にあった挑戦—ロボットの帰還はならず 

「ロボットの帰還」というテーマで繰り広げられた今回の大会。しかし、最終的に帰還を成功させたチームはありませんでした。実際にこのミッションは、プロの研究者や宇宙探査チームも課題として取り組んでいるほど難易度が高く、高専生たちがそれに挑む姿はまさに未来の技術者の姿を彷彿とさせます。 

どのチームも全力を尽くして戦い抜いたことが観客全員に伝わる大会でした。次の全国大会では、さらに高度なミッションに挑み、帰還を目指す彼らの活躍が期待されます。 

 

ロボコン地区大会

ロボコン地区大会

旭川工業高等専門学校A

旭川工業高等専門学校A

Follow me!